■レーシック情報:自分に見合ったレーシックの種類を把握ブログ:2020-10-19
あれはオレが10歳頃のことだったでしょうか…
オレの家には止まったままの小さな柱時計がありました。
そしてオレがもう少し幼かった頃、
その時計は確かに動いていて
30分ごとに時刻を知らせる音が鳴っていたことを
オレの耳は覚えています。
いつから止まっているのか、
いつから時計の音を聞かなくなってしまったのか、
はっきりしたことは思い出せなかったけれど…
オレはもう一度その時計の音を聞いてみたくなり、
父親に訊ねてみました。
「あの時計止まったままだけど壊れているの?」
父親は時計を見上げ少し考えてから
「誰もネジを巻かないから動かないんじゃないかな…」と言い、
「じゃあオレがネジを巻いてもいい?」と聞くと
「いいよ、やってごらん」と答えてくれました。
オレは時計の下に椅子を持って行き、
それに乗り、ホコリっぽい時計の扉を開けてみました。
「振り子の下に鍵があるだろう、
文字盤の方に鍵穴があるからそこに入れて巻くんだよ」
と父親は教えてくれました。
オレは小さな鍵を文字盤の鍵穴に入れ
「キリキリ」と回し出しました。
全部巻き切るまで鍵を回しました。
そして父親に時間を聞き、時計の時刻を合わせ
振り子を指で「トン」と横に弾きました。
すると時計は
再び時を刻みはじめました。
いつの間にか見捨てられ取り残されてしまったあの時計は、
かくれんぼの時、一人だけ見つけてもらえなかった息子のようです。
誰かに気付いて欲しくて、誰かに必要とされたくて…
動き出した時計を見あげ、父親はこう言いました。
「毎週巻いておくように…」と。
さあご飯食べよ〜っと。