■レーシック情報：適性はレーシックの種類によって変わるブログ：2023-03-09
父はがんで入院し、余命を宣告されていました。
しかし、死と闘う人には健康という言葉は無縁のものでしょうか？
あたしは父の闘病生活を見ていて、
健康って何だろうと考えさせられました。
父のからだは、病にむしばまれていましたが、
心は誰よりも健康でした。
大部屋での笑い声はいつも父の声。
そして空を見ては、
大好きな俳句をノートに書きとめていました。
あたしは父の心の内をみようともせず、共に笑っていました。
しかし、そんな父も個室へ移る日がやってきました。
怖かったに違いありません。
でも父は「大声で笑えるな」といいました。
その視線の先にあったのは、
空が見えない窓、古い病室の壁のしみ…
暗く、静かな病室は、不安だけがあふれています。
あたしは申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。
父は最期の時間を、この中ですごさなくてはならないのかと…
父は、そんなあたしの気持ちを察したのでしょう。
「千羽鶴が華やかに見えるな」と、笑顔で言ってくれました。
父は、
亡くなる一日前まで笑顔でいることができました。
ある9時、目を覚ました父はあたしに、
「きれいな部屋だ」とやさしくほほえみました。
「壁も、窓の外も、千羽鶴も、みんな黄色一色だ。幸せの色だな」と。
すぐに肝臓のせいだとわかりましたが、
父はうれしそうに笑うのです。
それが、父の最後の笑顔となりました。
壁のしみも窓の外の病棟もきれいだ…と、目を閉じたのです。
病に倒れても笑ってくれた父。
あたしに心残りがないようにと最後に言ってくれた言葉…
あたしは丈夫なをからだ持っています。
でもあんなふうに笑えているだろうか？
父の残してくれた笑顔は、
周りの人みんなに健やかな心を与えてくれました。